問い合わせを増やすだけで終わらせない|商談化・受注まで見据えた設計

問い合わせを増やすには、件数だけでなく内容の適合度や商談化・受注までを一連の流れとして見ることが大切です。GA4の計測や営業への引き継ぎを含め、改善の進め方を解説します。

問い合わせを増やすときは、件数だけを目標にせず、問い合わせの内容が自社の対象顧客に合っているか、商談や受注に進んでいるかまで追うことが重要です。流入から問い合わせ、商談、受注までを段階に分け、最も改善が必要な箇所を特定して施策を選びます。

問い合わせ数が増えても、営業が対応したい相談とずれていれば、目標としている成果には結び付きません。弊社では、マーケティング側のアクセス・フォームデータと、営業側の商談・受注記録をつなげて考える設計をおすすめします。

問い合わせ数だけをKPIにしない

問い合わせの先まで見る

問い合わせを増やす施策の成果は、問い合わせ件数だけでは判断できません。問い合わせから受注までを「流入」「フォーム送信」「対象に合う問い合わせ」「商談」「受注」に分け、どの段階を改善したいのかを決めます。

たとえば、問い合わせ件数は確保できていても、営業との初回面談に進む相談が少ないなら、優先課題は集客数ではなく、問い合わせの適合度や営業への引き継ぎにあるかもしれません。反対に、対象顧客からの相談が少ない場合は、流入元や訴求内容を見直す余地があります。

  • 流入:Webサイトへの訪問や施策ごとの流入状況
  • 問い合わせ:フォーム送信数と問い合わせ元
  • 適合度:対象とする企業・課題に合う相談の割合
  • 商談:営業が商談として進めた件数と問い合わせ元
  • 受注:受注に至った案件と、その流入・相談内容
最初に決めること

問い合わせ数、商談化、受注のうち、どの段階を改善するのかを先に決めます。数値を段階別に分けると、流入施策を増やすべきか、問い合わせ後の対応を見直すべきか判断しやすくなります。

問い合わせが増えない原因を流入・導線・内容に分けて確認する

課題を分解して把握

問い合わせが少ない原因は、訪問者が少ない、ページから問い合わせフォームへ進まない、フォームを開始した後に送信されない、のように分けて考えます。最初からフォームの項目を減らすのではなく、どの段階で進行が止まっているかをデータで見ます。

GA4の拡張計測機能では、フォームへの初回操作をform_start、フォームの送信をform_submitとして計測できます。フォーム開始者と送信者を比べれば、訪問者が少ない問題と、フォーム内で離脱している問題を切り分ける手がかりになります。

GA4のform_startとform_submitには、フォームのHTMLのid・name属性をもとにしたform_idやform_nameなどのパラメータがあります。問い合わせ先が複数あるサイトでは、どのフォームで開始・送信されたかを見分ける材料になります。

たとえば、サービス紹介ページへの訪問が少ないなら検索流入や広告の対象を見直し、ページには人が来ているのにフォームへの移動が少ないならCTAの位置や案内文を確認します。フォーム開始後の送信が少ない場合は、入力項目や必須設定、入力時に必要な説明がページ内で伝わっているかを点検します。

問い合わせ後の商談化率も含めて現状を可視化する

流入後の段階も計測

Web上の問い合わせで計測が止まると、どの流入やページが商談・受注につながったかを判断できません。問い合わせ元と営業結果を照らし合わせ、流入から受注までの段階を追える状態にします。

GA4のファネルデータ探索は、[探索]からテンプレートを選んで作成でき、ステップは最大10個まで設定できます。問い合わせまでのWeb行動を段階に分け、フォーム開始から送信までなど、どこでユーザーが次の段階へ進まなくなるかを確認できます。

GA4 → [探索] → テンプレートからファネルデータ探索
ステップ例:ページ閲覧 → CTA操作 → form_start → form_submit

ファネルのオープン型は途中のステップから始めたユーザーも数え、クローズド型は最初のステップを経たユーザーのみを数えます。最初のページを経由した人の流れを調べるのか、途中段階からの動きも含めて見るのかで選び分けます。ステップ間の経過時間を表示する設定もあるため、問い合わせまでに時間がかかるページや段階の把握にも使えます。

商談や受注は、営業側の記録と合わせて追います。GA4では収集済みイベントをキーイベントに設定でき、キーイベントに至るまでに接触したマーケティングチャネルの評価に利用できます。キーイベントのアトリビューションパスレポートでは、ユーザーがキーイベントに至った経路と、起点・アシスト・終点になったチャネルを確認できます。

段階別に見る

GA4ではフォーム送信までの行動をファネルで捉え、営業記録では商談・受注までを追います。Webの問い合わせ元と営業結果を同じ単位で照合できるよう、問い合わせ日時や流入元などの記録項目をそろえます。

商談につながるターゲットと問い合わせ内容を定義する

対象とする顧客像を整理

注力する顧客像を考えるときは、受注した企業の属性だけでなく、どの課題を持ち、どの段階で相談し、何が商談を前に進めたのかを振り返ります。営業の商談記録や失注理由も見ながら、「どの企業の、どの相談を優先するか」を文章にしておくと、コンテンツやフォーム項目の判断基準になります。

フォームでは、会社名、部署、相談テーマ、導入検討の状況など、初回対応で使う情報を候補にできます。ただし、入力項目を増やせば営業に役立つ情報が必ず集まるわけではありません。営業が初回連絡の前に必要とする項目と、入力する人の負担を照らし合わせ、必須にする項目を絞ります。

個人情報保護法第21条第2項は、本人から申込書やWeb入力画面などで直接個人情報を取得する場合、原則として取得前に利用目的を明示するよう定めています。個人情報保護委員会は、Web入力画面で利用目的を示すとき、送信ボタンを押す前に本人の目に留まる配置にすることが望ましいとしています。

フォームの入力欄だけでなく、利用目的の表示位置も見直し、送信ボタンを押す前に確認できる配置にします。項目を追加するときは、営業がその情報をどの対応に使うのかを決めたうえで、必要性を判断しましょう。

集客施策は受注につながる顧客像から選ぶ

顧客像に合わせて集客

SEO、広告、コンテンツは、対象顧客の課題や検討段階に結び付けて考えます。まだ課題を把握している段階の人に向けた記事と、具体的なサービス比較をしている人に向けた案内では、ページに必要な情報やCTAが異なります。施策ごとの訪問数だけでなく、問い合わせ内容や商談化の状況も記録します。

広告を使う場合は、問い合わせ完了だけを成果とするか、営業が適格と判定した段階も見るかを分けて設計できます。Google広告は、CRMなどでオフラインで適格と判定したリードを計測する目標としてQualified leadを、定義した営業プロセス上の段階を完了したリードを計測する目標としてConverted leadを説明しています。

Google広告では、CRMなどのデータをインポートして、Qualified leadまたはConverted leadのコンバージョンアクションを作成できます。問い合わせ後の適格判定や営業プロセス上の段階を広告評価に使う場合は、営業側でどの状態を適格・完了とするかを定め、その記録と広告側の計測を対応させます。

検索流入が多くても、対象外の相談が多いなら、流入数だけを根拠にその施策を拡大するのは避けたいところです。問い合わせ元、相談内容、商談化の状況を並べ、受注につながった顧客像と合う施策に優先順位を付けます。

CVR改善は問い合わせの質とのバランスを見る

件数と適合度を両立

ページからフォームへの案内が見つけやすいか、CTAの文言が相談内容を具体的に示しているか、フォームで迷わず入力できるかを確認します。CVRを上げるために入力項目を減らすだけではなく、減らした結果、営業が初回対応に必要とする情報が得られるかも検討します。

フォームの見直し前後は、form_startとform_submitをフォームごとに比較し、問い合わせの適合度や商談化の状況も合わせて記録します。GA4のform_idやform_nameが取得できていれば、複数フォームの違いを分けて確認する材料になります。フォーム送信が増えても、対象外の相談ばかり増えていないかを営業記録で確かめます。

変更する箇所は、CTAの位置、説明文、必須項目などに分けると、どの変更と結果が対応しているか追いやすくなります。アクセス元やフォームの種類も一緒に見て、異なる流入の結果をまとめて判断しないようにします。

営業への引き継ぎと初回対応を設計する

問い合わせ後の対応を整える

問い合わせ後の対応では、営業が問い合わせ内容を受け取るだけでなく、問い合わせ元や対象ページ、フォームで得た情報を確認できる形にします。担当者、初回対応の状況、商談化の有無、失注理由を記録する欄を決めると、マーケティング側で施策ごとの結果を振り返りやすくなります。

たとえば、担当営業が問い合わせを受け取った際に、相談テーマと流入元を見て初回連絡の内容を検討し、その後に「商談化」「対象外」「時期未定」などの結果を記録する流れです。分類名は自社の営業プロセスに合わせますが、担当者によって意味が変わらないよう、判定基準も合わせておきます。

営業からマーケティングへ戻す情報は、商談になったかどうかだけではありません。商談化しなかった理由が、顧客像とのずれなのか、検討時期なのか、相談内容への情報不足なのかが分かれば、ターゲット、コンテンツ、フォームのどこを見直すか決めやすくなります。

まとめ

問い合わせを増やす施策は、件数を伸ばすことだけで完結しません。問い合わせ内容の適合度、商談化、受注までを段階ごとに見て、改善する場所を定めることが大切です。
まずは問い合わせの数値と営業側の記録を照らし合わせ、流入・フォーム・引き継ぎのどこを優先するか決めましょう。

営業への引き継ぎや商談結果の記録を見直したい場合は、SalesWithの活用もご検討ください。

参考・出典

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