LINEのセグメント配信設計|目的から分類軸を決める手順
LINEのセグメント配信は、配信対象を先に細かく分けるのではなく、目的と読者に取ってほしい行動から分類軸を選ぶことが大切です。LINE公式アカウントや外部ツールの機能差、分類を増やしすぎない判断基準、配信後の見直し方を解説します。
LINEのセグメント配信は、属性や利用状況で友だちを細かく分けることから始めるのではなく、配信目的と読者に取ってほしい行動を先に決めるのが基本です。目的に応じて対象条件を定義し、その条件に合う情報を配信します。内容や求める行動が変わるときに対象を分け、条件を取得・管理できる範囲で運用することが設計の要点です。
LINEのセグメント配信とは?一斉配信との違い

LINEのセグメント配信とは、条件に応じて配信対象を分け、それぞれに合う内容を届ける方法です。一斉配信が友だち全体など広い対象へ同じメッセージを送るのに対し、セグメント配信では、たとえば来店・利用状況や関心のあるテーマに応じて案内を分けます。
ただし、LINE公式アカウントと外部ツール、Messaging APIでは、利用できる絞り込みの条件や設定方法が異なります。LINE公式アカウントの絞り込み配信では、配信先にオーディエンス、過去の配信、属性(フィルター)を指定できます。機能名が似ていても、使える条件が同じとは限りません。
一斉配信との違いは、対象に合わせてメッセージを変える点です。まず「誰を分けるか」ではなく、「何を伝え、どんな行動につなげたいか」を決めます。
配信目的と読者に取ってほしい行動を整理する

分類軸を決める前に、配信の目的と、読者に取ってほしい行動を一文で書き出します。例として「利用経験のある人に次回利用の案内を届ける」「特定のテーマに関心を示した人に関連情報を送る」のように、対象と行動が読み取れる形にします。
次に、その行動を取るために必要な情報を洗い出します。利用経験に応じた案内なら利用状況、テーマ別の情報提供なら関心を見分ける情報が候補です。配信対象から先に決めると、分類はできても内容が全員に同じになり、分けた目的が曖昧になりがちです。
行動が異なる読者を一つの配信にまとめると、案内の内容が一方には合っても、もう一方には不要になる場合があります。たとえば、利用を検討中の人と、すでに利用した人に同じ案内を送る設計では、求める行動が同一かを見直します。
配信目的に合う分類軸を選ぶ

分類軸は、目的に結びつくものを選びます。利用状況、興味・関心、配信への反応や行動履歴などが候補になります。どの軸も、情報を取得できるか、配信内容を変えられるかを合わせて考えることが重要です。
- 利用状況:来店・利用の段階に応じて、利用前の案内と利用後の案内を分ける
- 興味・関心:関心のあるテーマごとに、関連する情報を届ける
- 配信への反応・行動履歴:メッセージのクリックやリッチメニューの利用など、反応に応じた次の案内を検討する
LINE公式アカウントで作成できるオーディエンスには、メッセージクリック・インプレッション、リッチメニュークリック・表示、友だち追加経路、チャットタグなどがあります。たとえば、メッセージのクリックを基に対象を分ける場合、クリックした人に次に何を案内するのかまで決めておくと、分類軸と配信目的がつながります。
友だち追加経路のオーディエンスでは、追加経路のその他は対象外で、選べる期間は90日以内です。分類軸として使う場合は、知りたい経路が対象に含まれるか、期間の範囲が目的に合うかを先に確かめます。
LINEセグメント配信の設計手順

設計は、目的と行動の確認、対象条件の定義、条件を見分ける情報の確認、配信内容の決定という順に進めます。最初からツールの設定画面を開くのではなく、何を実現したい配信かを固めてから、実際に使える条件に置き換えます。
配信目的:何を伝えるか
読者の行動:配信後に何をしてほしいか
対象条件:どの状態・反応の人を含めるか
判定に使う情報:条件を見分けるために何を取得するか
配信内容:対象ごとに何を変えるか
たとえば、チャットタグで対象を分ける設計なら、タグを誰が付け、どの時点で更新するのかまで決めます。タグの設定可否や利用方法はアカウント・ツールの仕様によるため、設計案と実際の画面で使える条件を照らし合わせます。
LINE公式アカウントのオーディエンス配信では、複数オーディエンスの掛け合わせ結果が50人以上で、各オーディエンス内の有効な友だちもそれぞれ50人以上でなければ配信できません。オーディエンスは1メッセージにつき最大10個追加できますが、オーディエンスを設定するとLINE VOOMとの同時配信は利用できません。
分類を増やしすぎない判断基準

セグメントを追加するのは、対象によって配信内容や読者に求める行動が変わるときです。分けた後も同じ文章を送り、同じ行動を促すのであれば、分類する実務上の意味があるかを考え直します。
- 対象ごとに伝える内容が変わるか
- 条件を判定する情報を取得できるか
- 情報を担当者が継続して更新・管理できるか
- 対象数や配信条件が、利用する機能の要件を満たすか
たとえば、関心テーマを細かく分けても、アンケート回答やクリック履歴などテーマを判定する情報がなければ、その分類は運用に使えません。反対に、目的や内容が異なり、条件を継続して取得できるなら、分けることを検討できます。分類数に一律の上限を置くのではなく、配信内容の違いと管理可能性で判断します。
LINE公式アカウントのオーディエンス配信には、対象人数に関する要件があります。分類を増やす前に、個々のオーディエンスの有効な友だち数と掛け合わせ後の対象数を確認します。
LINE公式アカウントと外部ツールの確認ポイント

LINE公式アカウントの管理画面では、絞り込み配信の対象としてオーディエンス、過去の配信、属性(フィルター)を指定できます。過去の配信は認証済アカウントで利用でき、絞り込み設定した配信が対象です。配信完了から14日を過ぎると選択できないため、過去配信を条件にする運用では、配信時期も考慮します。
LINE公式アカウントのオーディエンス配信では、メッセージクリック、メッセージインプレッション、リッチメニュー関連、友だち追加経路の各オーディエンスは、配信に使う際にサイズ50以上が必要と案内されています。対象規模が小さい分類を設計する場合は、配信条件を満たすかが判断の分かれ目です。
CRMオプションのユーザーリスト配信では、顧客情報・タグ・フォーム回答結果を条件にでき、複数条件を組み合わせて対象を絞り込めます。顧客情報やフォーム回答を基に分類したい場合は、LINE公式アカウントの標準的な絞り込みと同じ機能だと考えず、CRMオプションの利用可否を分けて確認します。
LINE DevelopersのMessaging APIにあるナローキャストでは、年齢・性別・OS・地域などの属性情報、またはオーディエンスを使って配信対象を指定できます。属性データは約3日前の情報で、属性データを使うにはターゲットリーチが100以上必要です。指定可能なオーディエンスと過去配信リクエストIDは合計10件までで、条件はAND・OR・NOTで組み合わせられます。
Messaging APIで作成するメッセージインプレッションオーディエンスは、チャンネルあたり最大1,000件、保持期間は最大180日、ユーザー数は最低50人です。これらはMessaging APIの条件であり、LINE公式アカウント管理画面や外部ツールにそのまま当てはめないよう、使う機能ごとに区別します。
Messaging APIのナローキャストは非同期で送信されるため、リクエストが成功しても配信開始後に失敗する可能性があります。送信前にオーディエンスの状態がREADYであることを確認し、送信後は進行状況を取得して結果を確認します。
必要なプランや料金、個々の条件の設定方法は、公式情報や各ツールの最新仕様によって異なります。利用環境を確定したうえで、設計した対象条件がその環境で使えるかを照合してください。
配信後の反応を見て分類軸を見直す

配信後は、対象条件とメッセージ内容を並べて、当初の目的に合った配信になったかを振り返ります。たとえば「クリックした人に関連案内を送る」設計なら、クリックを条件にした対象と、次に送った案内が意図した組み合わせだったかを見直します。
開封率などの指標を使う場合、取得できる指標や確認方法は利用環境の計測仕様によります。数値だけで分類の良し悪しを決めず、対象条件が実際に取れているか、内容が対象に合っていたかも判断材料にします。反応に差があっても、それだけで特定の分類が成果を生むと結論づけるのではなく、次の配信で条件や内容を見直すための手がかりとして扱います。
まとめ
LINEのセグメント配信は、配信目的と読者に取ってほしい行動から分類軸を決め、対象条件を取得・管理できるか確かめて設計します。対象によって内容や求める行動が変わるときに分け、使うアカウントやツールの人数要件・機能差も踏まえて運用することが大切です。
まず実現したい配信を一つ選び、目的、対象条件、その条件を取得・管理する方法を順に書き出しましょう。
参考・出典
- LINE公式アカウントの絞り込み配信では、配信先に「オーディエンス」「過去の配信」「属性(フィルター)」を指定できる。 — https://www.lycbiz.com/jp/manual/OfficialAccountManager/broadcast-demographic/
- LINE公式アカウントで作成できるオーディエンスには、メッセージクリック・インプレッション、リッチメニュークリック・表示、友だち追加経路、チ… — https://www.lycbiz.com/jp/manual/OfficialAccountManager/messages-audience/
- CRMオプションのユーザーリスト配信では、顧客情報・タグ・フォーム回答結果を条件にでき、複数条件を組み合わせて対象を絞り込める。 — https://help2.line.me/official_account_jp/web/categoryId/200000824/3/pc?gad=1%2F&lang=ja
- LINE Developersのナローキャストでは、年齢・性別・OS・地域などの属性情報またはオーディエンスを使って配信対象を指定できる。 — https://developers.line.biz/ja/reference/messaging-api/nojs/
- Messaging APIのナローキャストは非同期で送信されるため、リクエスト成功後も配信開始後に失敗する可能性があり、進行状況を取得して送… — https://developers.line.biz/ja/docs/messaging-api/sending-messages/



